山が好きだ。
バックパッカーをしていて、
ひとつの旅の区切りとなったのはアフガニスタンだった。
世界一美しいと言われる湖、バンデ・アミールを目指してアフガニスタンのバーミヤン州に入り、
タリバンに大仏像を破壊されたことで有名なバーミヤン遺跡の町から地雷原に挟まれた道を車で進むこと1時間半、
破壊された戦車を横目に見ながら遂に砂漠に浮かぶそのラピスラズリ色の湖を目にし、身を浸し、泳ぎながら、
しかし達成感があったかと言われると、それほどではなかったような気がする。
次はどこに行こうか、ということをぼんやりと思ったくらいだった。
むしろインドのマナリでシバ神が宿る緑の山々を眺めながら、その麓でのんびり草を食む馬の相手をしている方が静かな感動を覚えたくらいだし、
ネパールのポカラでエベレスト山脈の雪肌に朝陽が差して黄金色に輝くのを見ていたときの方が、朝早くからの登山も手伝ってか、達成感混じりの感動を覚えた気がする。